判例

司法試験第二次試験の受験者である原告が、試験成績等の開示を請求したところ、平成11年度口述試験の総合順位を開示しないとした部分が取り消された事案(東京地判平成16年9月29日)

第三 争点に対する判断 一 認定事実 証拠(甲2の1、12、13、乙3、4、7、9ないし13、16、26、28ないし30)及び弁論の全趣旨を総合すると、以下の事実を認めることができる。 1 第二次試験の各試験ごとの出題方針と合否の判定等における…

相続税軽減のための養子縁組を無効とした事案(浦和家熊谷支審平成9年5月7日家月49巻10号97頁)

主 文 本件申立てを却下する。 理 由第1 申立ての要旨 申立人は,その申立書に次のとおり記載して,申立人の戸籍に「養父と記載されている亡甲野太郎(大正2年8月9日生,平成4年9月9日死亡,以下「亡太郎」という。)との離縁の許可を求めた。 「1.…

窃盗事件について中等少年院送致処分を是認した理由を平易に説明した事案(福岡高決平成24年6月25日家月64巻12号39頁)

福岡高等裁判所 平成24年(く)第93号 平成24年06月25日 少年 A(平成7.6.1) 主文 本件抗告を棄却する。 理由 君が提出した抗告申立書を読むと、抗告した理由の要点は、審判までは、家に帰りたくない、お父さんに会いたくないなどと思ってい…

試験観察を求めて抗告した無免許運転の少年に対し、抗告棄却の理由を平易に説明した事案(福岡高決平成21年1月19日家月61巻6号122頁)

福岡高等裁判所 平成21年(く)第5号 平成21年01月19日 少年 A (平成元.5.19生) 主文 本件抗告を棄却する。 理由 君の書いた抗告申立書を読んで、君の言い分は、中等少年院送致(一般短期処遇)の処分は重過ぎて納得がいかないので、試験観察に…

傷害暴行の事実を争う少年の抗告を棄却する理由を平易に示した事案(大阪高決平成21年2月7日家月61巻6号120頁)

大阪高等裁判所 平成21年(く)第62号 平成21年02月17日 少年 A (平成5.9.11生) 主文 本件抗告を棄却する。 理由 第1 抗告の趣旨及び理由 君の書いた抗告申立書によると、君の言いたいことは、大津家庭裁判所は、平成21年1月21日に、君の傷…

社会内処遇ではなく中等少年院送致が適切な理由を平易に説明した事案(福岡高決平成20年2月8日家月60巻8号66頁)

福岡高等裁判所 平成20年(く)第8号 平成20年02月08日 少年 A (平成2.10.15生) 主文 本件抗告を棄却する。 理由 君の書いた抗告申立書を読むと、「長期(1年)ではなく、短期にしてほしいと思います」「これからは家出をせず、サイトにもアク…

行政処分の違法性の判断の基準時は当該行政処分がされた当時であり、処分後の事実状態の変動の主張は主張自体失当である(東京高判平成21年9月30日租税関係行政・民事事件判決集(徴収関係)平成21年1月〜12月順号21−36) #主張自体失当

控訴審においても原審の公判前整理手続の結果をないがしろにするような追加的主張や追加的証拠調べは原則として認められないとし、そういった事項を前提とする訴訟手続の法令違反の主張が主張自体失当とされた事案(東京高判平成21年2月20日高刑速報集(平21)号90頁) #主張自体失当

住民税は、国庫に帰属するものではないから、国に対して住民税の不当利得の返還を求める訴えは、主張自体失当であるとされた事案(福岡高那覇支判税務訴訟資料229号956頁) #主張自体失当

国に対して、条約により米軍の使用する飛行場での米軍機の離着陸の差止めを求める請求は、国に対しその支配の及ばない第三者の行為の差止めを請求するものであって主張自体失当であり棄却すべきものである(厚木基地騒音公害訴訟・最判平成5年2月25日民集47巻2号643頁) #主張自体失当

被告が右不動産の所有者である原告から一定の金員の支払を受けるのと引換に右仮登記等の抹消をする旨約する一方、この内容を補完するため裁判外で原告と被告の間で和解合意をする事もあり得るから、かかる主張は主張自体失当ではない(最判昭和58年9月16日判タ509号116頁) #主張自体失当

上告審が訴を不適法として却下した原判決を破棄する場合において、原告の請求が主張自体失当であるときは、事件を原審に差戻すことを要しない(福岡高判昭和31年3月14日訴月2巻5号49頁) #主張自体失当

高裁のこだわり?

「不貞行為」を「修との肉体関係」に改めた東京高判昭和57年9月30日判時1059号69頁、「PC−9800」を「PC−9801」に改めた大阪高判平成8年9月11日等があります。

原審に何があった?

「野沢馬」を「野次馬」に改めた東京高判昭和62年12月24日判タ653号238頁。極めつけは、「うぶ毛を」の次の「を」を削り、「素顔」を「素肌」に、「類」を「頬」に、「手穴」を「毛穴」に、「日本女」を「日本女性」に、「アルコール人り」を「…

ウオーリーを探せ?

「ピデオテーブ画像」を「ビデオテープ画像」に改めた東京高判平成14年1月30日、「兼トスル」を「業トスル」に改めた東京高判平成7年11月29日判時1557号52頁、「休育館」とあるのを「体育館」に改めた東京高判昭和61年6月23日判タ63…

小さな誤記の大きな違和感

「消化剤」をいずれも「消火剤」に改めた事案(名古屋高判平成24年10月23日自保ジャーナル1886号140頁)、「同意権」を「同意見」に改めた事案(広島高判平成22年1月28日判タ1346号203頁)、「決裁」を「決済」に改めた事案(広島…

裁判官、法律用語は間違わないでくださいね!

「対等額」を「対当額」に改めた事案(大阪高判平成23年11月24日金法1985号147頁、東京高判平成11年12月15日金判1085号3頁)、「応答日」を「応当日」に改めた事案(高松高判平成21年11月30日)、「出絹」を「出捐」に改めた…

原審判書2頁3行目の「おっぱい」を「授乳」に改めるとした事案(札幌高決平成17年6月3日家月58巻4号84頁)

子の監護者の指定に関する争いで、原審が「おっぱい、食事の世話、おむつ替えその他、ほとんどの世話を申立人がしてきた」等の事実を認定したところ、抗告審が「おっぱい」に反応した事案

合理化に反対し、「職場に墓場をつくる会社は死神、死神をたたき殺せ」等のビラを貼った組合員に対する懲戒処分が不当労働行為になるとした労働委員会の命令を支持した事案(朝日新聞西部本社事件・昭和54年4月10日労判318号27頁) #死神

全日本鉱夫総連合会等著「ヨロケ」はじん肺を「飯を食うためには働かなければならない。しかも精出して働けばこうした死神が両手を広げて待つている。まさに人生悲惨の極みではないか。」と、その悲惨さを明らかにしている(長崎地佐世保支判昭和60年3月25日判時1152号44頁参照) #死神

漫画家である原告とトラブルになった被告が、2ちゃんねるで、死に神が原告の首を吊す図柄に、「すぐつれて逝きますんで」という文を配したもの等を投稿した等として、損害賠償やネット上への書き込み等の禁止が認められた事案(東京地八王子支判平成14年8月29日) #死神

義理の息子の妻子殺害被告事件で、被告人が義理の息子に「何年経っても、立ち直って、幸せの真似事をした頃に、死神の様に壊してやる・・・俺から逃げれると思うな!」等とメールをした事案(大阪地判平成17年8月3日、最判平成22年4月27日刑集64巻3号233頁で有罪判決破棄) #死神

市が菊池寛の全集を発行したことが違法とする住民訴訟で、芥川賞及び直木賞を創設した菊池寛研究に基礎資料を提供し我が国の文芸の発展に資することを目的として本件全集を発刊したものであること等から公費支出は適法とされた事案(高松高判平成11年11月30日判タ1058号163頁) #直木賞

都知事が直木賞等の選考会の会場として知られる有名な老舗料亭等で、都民の税金を使用して飲食したという事件において、一部の飲食は違法であるとして飲食代金返還が命じられた事案(但し料亭での飲食は適法とされた)(再掲)(東京高判平成19年9月26日判時1992号50頁) #直木賞

キューピーに関する商標の効力につき原告は元絵の著作権者から許諾を受けていないが著作権は既に保護期間を経過しており、原告の宣伝により「キューピーマヨネーズ」が著名となったとして原告の提訴は権利濫用でないとした事案(知財高裁平成20年12月17日判タ1305号232頁) #マヨネーズ

実家に対して怒りを募らせ、玄関ドアにマヨネーズをかけるなどの嫌がらせを繰り返すうち放火を行った被告人につき、ピック病による初老期認知症の影響により完全な責任能力が認められない等との主張が排斥された事案(東京高判平成20年5月15日判タ1295号312頁)#マヨネーズ

最高賞金1000万円のテレビのクイズ番組で、マヨネーズの語源を「人の名」と答えて不正解となった原告が、人の名前とする説も存在するので獲得賞金は750万円だとして提訴したが、番組制作者の広い裁量を認め、請求を否定した事案(静岡地沼津支判平成15年10月7日)(再掲) #マヨネーズ

スティック代わりの自在ほうきをもってパックに見立てたマヨネーズのキャップ、たわし、雑巾を丸めたもの等の疑似パックを相互に打ち合うという「ホッケー遊び」が昭和60年11月頃から流行したと認定した事案(東京高判平成5年8月31日判タ848号139頁)(再掲) #マヨネーズ

生物は生殖の本能と種族保存の本能を有するのであつて、人類もまた生物の一種としてこの本能に支配せられ、性交によつて永遠の生命を保持するのであると判示した事案(大阪高判昭和30年6月10日高刑集8巻5号649頁) #永遠の判決

死刑は人命に対する終局永遠の刑であつて、国家が行う「必要な害悪」のうち止むことを得ざる場合において認容され肯定されるものといわなければならない。(最判昭和30年6月22日刑集9巻8号1189頁小谷勝重少数意見) #永遠の判決