たき火と「重過失」の判断事例

・周囲を建物で囲まれた狭い場所でダンボールのように軽くて風に飛ばされ易い物を燃やしたのに、漫然と火は消えたものと考えて現場を去ったため燃え残りの火が周囲の建物に飛び移って本件火災を招来した場合、重過失がある(東京地判昭和58年10月13日判タ517号134頁)。
・自宅の庭で燃やしたゴミの火が枯れた芝生に燃え移り、近隣の建物を延焼させた事案で、ゴミを燃やしていた者は、芝生への延焼については通常人として相当の注意を払いつつ、消火作業に努め、その後も相当な時間現場にとどまって消火を確認したのであり、いったん消えた火が再燃して火災を発生させることまで予見することは困難であったとして重過失はない(さいたま地判平成16年12月20日判時1904号122頁)。