6.失火責任法と監護者の責任(民法714条)との関係

民法712条、713条は、責任無能力者の免責を定め、民法714条が監督者の責任を定めているところ、責任無能力者が失火を生じさせた場合に、監督者が責任を負うためには、監督者自身の監督における重大な過失が必要である(最判平成7年1月24日民集49巻1号25頁)。
子どもがマツチ遊びをしていたところ、建物の納屋にあつた麦わらに燃え移り建物を焼失した場合に、父親がマツチの取扱について、家の中で使用することはもちろん外に持出すことのないよう注意していた等の事情があれば、子どもの監督に重過失はない(福岡地判昭和46年7月9日判タ269号278頁)