一般に、宇宙空間にある衛星から電磁波及び音波をレーザーに乗せて特定の者の脳に発射し、その者を眠くさせたり、集中できなくさせたり、言葉を聞かせたりする技術的な手段は現在の科学技術上存在しないものと認められるとして、原告の請求を棄却した事案(東京地判平成15年2月18日) #レーザー

第2 事案の概要
 1 原告の主張
   原告の主張は、別紙「請求の原因」記載のとおりであり、これを要約すると、東京都及び被告葛飾区は、その運用する衛星からホースと呼ばれる電磁波及び音波をレーザーに乗せて原告の脳に発射し、原告を眠くさせたり、集中できなくさせたり、原告の考えに逆らう言葉や話し声を聞かせたりしたため、仕事に支障を来したので、そのような電磁波等の発射の差止を求めるというものである。
 2 被告の主張
   原告の主張の事実は否認する。被告葛飾区は、衛星を使ってホースと呼ばれる電磁波及び音波をレーザーに乗せているような事業は行っていない。原告に対し、ホースと呼ばれる電磁波及び音波を浴びせた事実もない。
第3 当裁判所の判断
   一般に、宇宙空間にある衛星から電磁波及び音波をレーザーに乗せて特定の者の脳に発射し、その者を眠くさせたり、集中できなくさせたり、言葉を聞かせたりする技術的な手段は現在の科学技術上存在しないものと認められるところ、本件記録上もそのような技術的手段があることをうかがわせるに足りる事情は認められないから、被告が、原告主張の方法で原告の仕事に支障をもたらしたものとは認められない。
   したがって、原告の請求には理由がないこととなるから、主文のとおり判決する。