2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

研修医の研修は研鑽の側面があるが、病院の指揮命令の下に各種医療業務に従事するもので指揮命令関係があるとしたうえで、病院は研修医に対して、疲労や心理的負荷等が過度に蓄積し、心身の健康を損なうことがないよう配慮する義務を負うとした事案(平成16年7月15日労判879号22頁) #研修

外国人研修制度の受入機関による研修生・技能実習生に対する、旅券・預金通帳等の強制管理・違法な長時間労働があったとして、これらの行為を一体として受入機関の研修生・技能実習生に対する不法行為責任が認められた事案(熊本地判平成22年1月29日判時2083号43頁) #研修

学長が受験料、入学金を収納し、授業料に相当する金額を右学長に貸付けるという方法で受領している状態は違法であり、学生が学長に預託している金銭は、授業料の実質をもつものとして、私立大学に帰属するとした事案(名古屋地判昭和37年4月6日判タ132号114頁) #受験料

英検の受験料を4人分受け取りながら3人分しか申し込みをしなかった等のミスを理由に、退職時に退職金減額処分を受けた元職員につき、これらのミスは同人の勤続の功労を減殺しないとして、減額分の退職金の支払請求を認容した事案(京都地判平成17年7月27日労判900号13頁) #受験料

従業員に対して技術士試験の受験を指示し、勉強時間等詳細な指定をし、受験料等を負担し、会社として受験指導をしていたこと等の事実に照らすと、受験及び受験勉強には業務性があるとして脳内出血に業務起因性を認めた事案(大阪地判平成21年4月20日労判984号35頁) #受験料

タクシー運転手の希望者に対し、二種免許取得のため授業料、受験料は会社が負担するが一定の勤務日数以下で退社する場合には返還をするという約定は、労働契約における違約金禁止(労基16条)に反しないとして、返還請求を認めた事案(大阪地判平成21年9月3日労判994号41頁) #受験料

職務質問中に被告人車両のエンジンを切り、車外に出られなくして現場に留置き、留置の違法を糊塗するために内容虚偽の疎明資料を作成して強制採尿令状の発付を請求していることから、違法収集証拠排除をして無罪を言い渡した事案(東京地判平成22年8月6日判タ1366号248頁) #違法収集証拠

逮捕時に逮捕状の呈示がなく、逮捕状の緊急執行もされていないのに、これを糊塗しようと、逮捕状へ虚偽事項を記入し、内容虚偽の捜査報告書を作成し、更に公判廷で事実と反する証言をしているとして違法収集証拠排除を認めた事案(最判平成15年2月14日刑集57巻2号121頁) #違法収集証拠

覚せい剤取締法違反事件の捜査に当たり令状なしで警察官が被疑者宅に掃き出し窓から侵入したことには令状主義を潜脱する意図が窺われるとして引き続いての任意同行先の警察署で採取した尿の鑑定書の証拠能力を否定した事案(松山地判平成9年7月3日判タ958号298頁) #違法収集証拠

捜査官が参考人に署名・押印させた白紙の供述調書を利用して虚偽の供述調書を作成し、その調書を唯一の証拠資料として捜索差押許可状の発付を受け覚せい剤を差し押さえた場合として覚せい剤等を違法収集証拠として排除した事案(福岡高判平成7年8月30日判タ907号281頁) #違法収集証拠

令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠として許容することが将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる場合違法収集証拠を排除すべきとした事案(最判昭和53年9月7日刑集32巻6号1672頁) #違法収集証拠

検察官が警官に「尿を出さないなら令状をとって病院でとれ。」と被告人の前で指示したり、警官が「拒否したら病院に連れて行って局部に管を突っ込んでとる。そのやり方は痛い。」と説明しても適法な説得の範囲内にあるとした事案(東京地判昭和53年5月22日)#違法収集証拠

逮捕後警察官により、暴れた事の懲罰として後手錠をされて逆えび型に緊縛されて俯向けにころがされ背中を踏みつけるなどの暴行をうけたことを理由に、公務執行妨害罪の被告人につき懲役15日、未決勾留日数15日算入とした事案(東京地判昭和46年2月18日判タ260号271頁) #違法収集証拠

妻が第三者に依頼し夫を殺させたという保険金殺人事件において、被告人は自己の関与を否定し、夫は酒癖は悪かったが周囲からも、喧嘩はするが仲のいい夫婦だと言われていた等と主張したが、総合考慮の上で実行犯との共謀を認め、懲役20年を言い渡した事案(東京地判平成8年3月26日) #いい夫婦

近所でも評判の仲の良い夫婦であったところ、ある時期から妻が突然離婚を要求したとして妻が自己中心的で冷たい印象を与える内容の放送をしたことを謝罪する訂正放送を命じた原判決を破棄し、謝罪放送を求める権利はないとした事案(最判平成16年11月25日民集58巻8号2326頁) #いい夫婦

交通事故により死亡した被害者につき、その妻は被害者と幼なじみで仲の良い夫婦であり、集中治療室にいた被害者の姿に衝撃を受け、体調もすぐれず、2か月程仕事を休んでいること等を理由に200万円の慰謝料を認めた事案(東京地判平成18年5月10日交民集39巻3号631頁) #いい夫婦

ギリシア哲学で、不均等を意味する「アニソン」。「アニソン」で判例を検索すると、附合に関する事案でアリストテレスの『ニコマコス倫理学』を引用する東京簡判昭和33年6月30日判時161号22頁が見つかる。 #アニソン

特撮関係の会社で創業家出身の上司が、部下である原告をカラオケ店で隣に座らせ、怪しげな雰囲気にならないようアニメソングを歌う等の原告の努力にも関わらず、胸や脚を触った等と主張した事案で概ね原告の主張する事実関係を認め慰謝料支払を命じた事案(東京地判平成16年7月29日) #アニソン

司法試験関係公文書開示請求訴訟において、短答式試験及び論文式試験がいわゆる一方通行の試験であるのに対し、口述試験は双方向の試験であり、受験者の応答に応じて、発問が発展していく点に大きな特色があると認定した事案(東京地判平成18年9月1日) #双方向

「双方向歯科治療ネットワーク」との発明は、コンピュータに基づいて機能する歯科治療支援のための技術的手段を提供するものと理解できるとして、かかる発明が「発明」に該当しないとした特許庁の審決が取り消された事案(知財高判平成20年6月24日判時2026号123頁) #双方向

知人から売却を依頼されていた「漢詩」と呼ばれるものを含む掛け軸計5点の売却代金を着服横領した等として執行猶予付き有罪とされた事案(東京地判平成1年3月15日) #漢詩

漢詩を節をつけて朗吟すること自体が音楽に当たらないという前提に立つとしても、詩吟コンダクターと呼ばれる機械は詩吟の伴奏をし、旋律を奏でてゆくものであるというのであるから旧物品税法の電子楽器に該当するとした事案(東京地判平成1年12月18日判時1341号77頁) #漢詩

幕末に水戸藩の藤田東湖が、「文天祥の正気の歌に和す」と題する漢詩で、「英霊いまだかって泯びず、とこしえに天地の間にあり」と歌い、この漢詩が志士の間で愛唱されて以来用いられるようになったもの、と「英霊」の由来を認定した事案(大阪高判平成6年7月20日判タ870号113頁) #漢詩

中学校の校庭のハンドボール用のゴールポストで遊んでいた小学生が、ゴールポストの下敷きになり負傷した事故につき、管理者は通常予測しえない方法での利用の結果についてまで責任を負うものではないとして責任が否定された事案(千葉地木更津支判平成7年9月26日判タ894号127頁) #ポスト

郵便局の業務時間内に郵便窓口に差し出した確定申告書に翌日の消印が押された事案につき、郵便局前のポストに投函したり、集配局に提出するなどの措置を試みなかったことはやむをえず、期限後申告とはいえないとした事案(東京高判平成18年4月20日税務訴訟資料256号10375順号) #ポスト

降格等処分の無効判決確定後も自宅待機を余儀なくされた後職場復帰した労働者が、与えられたポストへの不満や不信感から命じられた業務を拒否し上司の指示に従わず、懲戒の警告に応じなかったことから行われた懲戒解雇を有効とした事案(東京地判平成19年12月14日労判957号26頁) #ポスト

労働組合の代表者や組合員が経営者宅を30回以上にわたって訪れて面会を求め、自宅の玄関ポストに申入書を投函し、自宅前の路上で抗議ビラを読み上げたり、シュプレヒコールを上げたりした行為は、住居の平穏を侵害し違法とした事案(京地判平成21年2月20日判時2058号147頁) #ポスト

分譲マンションの各住戸に政党の活動報告等を記載したビラ等を投かんする目的で、同マンションの共用部分に管理組合の意思に反して立ち入った行為をもって刑法130条前段の罪に問うことが、憲法21条1項に違反しないとされた事案(最判平成21年11月30日刑集63巻9号1765頁) #ポスト

労務提供の意思の欠如を理由に解雇された労働者につき、労働者に職務専念義務違反があり、また、解雇を自ら招くような言動がある一方、ポストに見合う能力が欠如し飲酒問題で周囲に迷惑をかけており、解雇は相当であるとした事案(東京地判平成23年3月23日労経速報2111号23頁) #ポスト

土地改良区が印紙税逋脱罪を犯したが、後の法改正で、土地改良区が非課税団体に加えられた後は、「犯罪後の法令により刑が廃止された」場合に当るものとして免訴されるべきとした事案(最判昭和36年7月14日刑集15巻7号1085頁) #印紙税